天才たちの肖像 インドの魔術師 数学者ラマヌジャン

リアルタイムで色々な天才達を私たちは目にしているとは思います。

しかし、神か悪魔か、というレベルでの頭脳や肉体での天才はそうはいません。

今日は、数学の天才ラマヌジャンについて…

ラマヌジャンは、インドの数学者で、インドの魔術師と呼ばれるほどの天才でした。彼は、正式な数学教育をほとんど受けていないにもかかわらず、数学的解析、整数論、無限級数、連分数などの分野で多くの発見や貢献をしました。彼の業績は以下のようなものがあります。

(彼本人いわく、夢の中で託宣を受けた、と言って編み出した公式に他の数学者達が驚き、数十年かけてやっと証明されたものも少なくない。

彼自身、過去誰も気づかなかった正しい公式を発見しても、それが自分の中でどういう過程で生まれて来たかを説明できなかったのだ)

  • 無限の足し方:ラマヌジャンは、無限級数や無限積などの無限に関する公式をたくさん発見しました。例えば、彼は次のような公式を見つけました。$$\frac{1}{\pi}=\frac{2\sqrt{2}}{9801}\sum_{k=0}^\infty \frac{(4k)!(1103+26390k)}{(k!)^4 396^{4k}}$$この公式は、円周率の逆数を高速に計算することができます。また、彼は次のような公式も見つけました。$$\frac{1}{\pi}=\frac{2}{\sqrt{3}}\sum_{k=0}^\infty \frac{(3k)!}{(k!)^3}\left(\frac{-1}{9}\right)^k$$この公式は、円周率を16進法で高速に計算することができます。
  • ラマヌジャン予想:ラマヌジャンは、保型形式という特殊な関数に関する予想を提唱しました。この予想は、リーマン予想という数学最大の難問の一般化と見ることができます。リーマン予想は、素数の分布や暗号理論などに深く関係しています。ラマヌジャン予想は、1974年にドリーニュによって証明されました。ラマヌジャン予想は、1995年にフェルマー予想という古典的な難問の解決にも重要な役割を果たしました。
  • ラマヌジャンのタウ函数:ラマヌジャンは、タウ函数という整数論的な関数を考えました。この関数は、24を法とする合同式や分割数という組み合わせ論的な概念と密接に関係しています。ラマヌジャンは、タウ函数に関する多くの性質や公式を発見しました。例えば、彼は次のような公式を見つけました。$$\tau(n)=\sum_{d|n}d^{11}$$また、彼は次のような予想もしました。$$|\tau(p)|\leq 2p^{11/2}$$ここで、pは素数です。この予想は、1955年にデリーニュによって証明されました。
  • ラマヌジャン・スコーレムの定理:ラマヌジャンは、スコーレムというノルウェーの数学者と独立に次のような定理を証明しました。任意の正整数nに対して、n!+1からn!+nまでの間に素数が存在する。この定理は、素数が無限個存在することや素数定理という素数の分布に関する定理から導かれるものではありません。この定理は、素数がある程度均等に分布していることを示すものです。

ラマヌジャンは、数学の歴史に残る偉大な数学者の一人です。彼の発見や貢献は、現代の数学にも多大な影響を与えています。彼の凄さを細かく各方面から説明するのは難しいですが、彼の数学への情熱や創造力は、私たちにも刺激を与えてくれると思います。

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